(31)区役所の仕事(子育て支援編)

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 「子育て支援」と聞くと、可愛い子供と関わることのできる楽しい職場‥と考えるかもしれませんが、実態は激務であることが多いようです。仕事の範囲も、各種手当の支払い、子ども医療費、保育園入園事務、施設管理など幅広い仕事があり、それぞれに対応する部署がなります。今回は区役所の子育て関係のお仕事についてお話しします。

多岐にわたる子育て関連の事業

 冒頭で示した通り、一言で「子育て支援」と言っても、様々な切り口があり、対応する部署も異なります。そこで、簡単ではありますが、子育てに関連する部署を以下の通り、図にまとめました。

 多くの自治体では、手当・医療費助成、保育園、子育て支援が、例えば子ども家庭部など、一つの部にまとめられ、相互に連携しながら事業を展開していることが多いと思います。

 学校関係については、教育委員会に紐づけられており、トップには教育長が置かれ、区長から独立した執行体制となっています。説明を簡単にするため、「手当・医療費全般」や「保育園入園事務」とさらっと書いていますが、現実的には一つ一つの仕事は激務です。

 そして何よりも、手当・医療費支援や保育園の入園事務は、区民の生活に直結し、区民の関心も高くなります。また、虐待防止の部署は、それこそ一瞬の判断の遅れが取り返しのつかない事態を招くことにもなりかねません。子育て支援のセクションは、仕事内容が区民への対応が特にデリケートな部署と言えるかもしれませんね。

子育ての部署はいつも忙しそう

 子育て関連の部署で従事する職員は、とにかく残業が多く、外部から見ても大変そうでした。

 例えば、教育委員会で各小中学校の予算関係を担当する職員は、それこそ大きな自治体では、小中学校の総数が50を超えることも珍しくなく、その全ての学校と細かな事務のやり取りや、書類チェックをすることを考えるとぞっとします。

 私が、働き方改革で残業時間の上限を調査した時も、教育委員会事務局は、上位に名前を連ねていました。正直、学校の世界には古き慣習が残っており、仕事のやり方次第で効率性を変えられるのではと思うこともありましたが、これらはとても担当職員で解決できるレベルではなく、組織として取り組まないといけないと思います。

 保育園の入園事務担当者は、入園申請が始まると窓口対応に追われ、締め切り後は申請処理対応で随分遅くまで作業していました。必死で作業をしても、受入数には限界があるので、落選した保護者の対応など、苦労が耐えないようです。

 虐待防止の部署は、それこそ通報があったら必ず出動しなければならないため、常にスタンバイしていなければなりません。虐待の通報件数が過去最高を更新と言うニュースを見るたびに、担当部署の業務量がそれこそ激増していることが想像できます。訪問だけでなく、記録の作成や、その後の経過観察などもありますしね。

東京都から児童相談所が移管される

 東京都23区の子育て関連で大きな動きと言えば、これまで東京都が所管していた「児童相談所」を各区へ移管することでしょう。言うまでもなく、児童相談所と言えば、虐待から子供を守る最後の切り札で、組織力、専門人材、施設の管理・運営においてのスペシャリストを抱える集団です。全てにおいて極めて専門性が高いにもかかわらず、これらをほとんどノウハウを持たない区に権限を移すわけですから、それは大変です。
 一番心配なのは人材確保です。子供の命に係わる案件に常に関り、虐待が疑われる親とのやり取りなどは、それこそ命を懸けたやり取りになります。虐待の疑いを確信し、子供を引き取る場面でも、親は絶対に虐待を認めないでしょうからね。「殺すぞ、人さらい野郎!」なんて言葉は日常茶飯事でしょう。それでも子供の命が守られるなら良いですが、判断を誤り、家に帰した結果、子供が虐待死などとなると、その職員も一生の傷を負うことになるでしょう。
 こんな仕事が、ノウハウをほとんど持たない区にできるのか心配が尽きません。

 今回は子育ての仕事にフォーカスしましたが、きめ細かな対応が求められる部署だと改めて感じました。虐待、貧困、ひとり親など、これまで目立たなかった問題への対処も必要となるでしょう。仕事はきついでしょうが、役所しかできない強い使命感をもって立ち向かえば、きっとやりがいのある仕事になると思います。

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