(30)役所の仕事(福祉編)

その他

 今回は「福祉」の仕事に焦点を当てます。ジョブローテーションを基本とする区役所の人事において、全員とは言いませんが、多くの人は10~15年の間に一度は福祉部署を経験することになると思います。私は生活保護のケースワーカーを新卒から3年勤めました。その時の経験をベースに福祉の仕事について考察したいと思います。なお、区によって専門の「福祉職」を採用している区もありますが、今回は事務職・福祉職の区別はしていません。

役所内にはどんな福祉部署があるの?

 一言で「福祉」といってもどのような部署があるか、想像がつくでしょうか?まずは全体像から見ていきましょう。
(生活福祉)
 生活保護受給者にかかる事務全般を行います。保護費の計算から、家庭訪問調査などを通じて、現状を把握し、自立した生活に向けた支援をします。一人の職員で100世帯程度受け持つことが多いです。(顔と名前を覚えるのが大変ですね)
(高齢福祉)
 高齢者施設の管理や、介護保険の認定、給付などを行います。高齢化の進展に伴い、業務量も増えていますね。
(障害福祉)
 「身体障害」・「精神障害」・「知的障害」など、障害をお持ちの方に対して、障害の認定、給付、施設の管理など様々な仕事を行います。
(保健所)
 メインは保健士さんですが、赤ちゃんの健診から高齢者・障がい者への生活アドバイスなど、健康的な生活に向けて幅広い仕事を行います。

福祉の仕事をして思うこと(メリット編)

(対人能力が鍛えられる)
 この仕事は人と話をしてなんぼの仕事です。特に私は生活保護受給者が対象であったため、いわゆる社会的弱者です。そこでは相手によりしながら、何に困っているのか、どんな支援を必要としているのかを我慢強く聞き出すコミュニケーションスキルが求められます。私は当時新人職員だったため、「何でこんなことができないんだろう」と一方的に自分の考えを押し付けるだけの未熟な職員でした


(結構な金額を取り扱える)
 またも生活保護ケースワーカーの仕事になりますが、100世帯も管理すると、一人の職員が年間で取り扱う額は年間1億円を超えてきます。気を付けなければならないのは、お金を渡す立場なので、どうしてもマウントポジションをとりたくなり、高圧的な態度になってしまうので、要注意です。


(仕事の優先順位をつける能力)
 仕事の大半は個人単位で、チーム単位の仕事はほとんどないため、仕事のスケジュールが立てやすいです。そのため、仕事の優先順位をつけたり、スケジュールを管理する能力が磨かれます

福祉の仕事をして思うこと(デメリット編)

(一般常識が通用しないことがある)
 仕事をしていて、やな奴はいます。すぐに悪口を放つ、常に近所と面倒を起こすトラベルメーカーなど、顔を見たくもなくなるようなことが時々あります。


(メンタルプレッシャーがでかい)
 部屋で孤独死、急に子供ができた、失踪した、ギャンブルでお金を使い次の支給日まで無一文になったなど、担当している案件にトラブルはつきもので、その対応は非常に大変です。逆に言うと、事件がないと平穏で仕事は楽です。前述のトラブルメーカーへの対応や、突発案件のプレッシャーで、どうしても福祉の仕事に耐えられない人もいます。


(仕事スキルは汎用性が低い)
 公文書の作成や、予算・決算事務、文書管理システムを使った起案など、役所内で汎用性の高い仕事はありますが、福祉でこのようなスキルを使うことは少ないです。

 私は区役所で働くことになったなら、一度は「福祉」の仕事を経験してほしいと考えています。その一方で、新卒で「相手に寄り添い、ニーズを引き出すコミュニケーションスキル」は正直しんどいのではないかと思います。がっつり相手と向き合い、真の成果を出すには、数年社会人経験を積んでからのほうがよいのかもしれませんね。でも、福祉の仕事は楽しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました