(28)区役所の仕事(契約・会計編)

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 今回は区役所業務の中でも、最も事務職要素の強い「契約・会計」の仕事についてお話ししようと思います。私はこれらの部署で働いたことはありませんが、事業担当として契約・会計担当部署と数多くのやり取りがありました。そこで、今回は事業担当者から見た契約・会計の仕事についてご説明します。

区役所はどんな契約を結ぶのか?

(どんな支出にも契約が必要)
 公金を支出するためには、必ず何らかの契約行為が必要となります。例え鉛筆1本でも簡易的な契約を締結します。なお、50万円以上など、一定額を上回る契約は契約担当課が契約を締結しますが、少額なものは各所管で文書起案・決裁し、会計担当を通じてお金を支払います。

(様々なタイプの契約がある)
 一言で契約と言っても様々な種類の契約があります。所管課長と業者の間で交わす「簡易的な契約書」、不特定多数の業者で価格を競わせる「一般競争入札」、業者を限定して行う「指名競争入札」、価格ではなく業者の提案内容を審査して決める「プロポーザル型契約」などがあります。

 契約手法が複数あるのは、案件に対応した適切な契約を締結するためです。例えば、学校校舎の塗装などは、どの業者に依頼しても概ね同じ結果が得られるので、一番安い金額で締結できる「一般競争入札」が適していると言えます。

 一方で、観光イベントの実施など、業者の裁量が大きく、実績などを加味する必要がある場合は、金額だけで判断すると、「安かろう・悪かろう」になってしまうため、「プロポーザル型契約」が適切となる場合があります。但しこの契約の欠点として、プロポーザル審査の時は、その会社のエース級の職員を読んで完璧なプレゼンテーションを見せて、契約を勝ち取ったあとに、いざ作りこみの段階になるとレベルの低い社員しか派遣しないことがありました。約束違反にならないように、契約の仕様書で、成果物・目標数値を極力明確にし、双方で共有することが大切です。

(気軽に相談に乗ってくれた優しい契約課の人たち)
 契約担当課の人たちは、独特の契約用語や文章を書くので、一見とっつきにくいようですが、相談すると実に親切に教えてくれました。「この仕様書の書き方でいいでしょうか?」・「何か参考になる契約のひな型はないでしょうか?」と聞くと、懇切丁寧におしえてくれます。
 一方、相談が遅れると烈火のごとく怒ります。「あの~、初の案件になりますが、3週間以内に一般競争入札で業者選定したいのですが‥」や、「あの~、話しが外から埋まっていて、1週間以内にこの業者と契約したいのですが‥(随意契約というやつですね)」。こんな相談すると、本当に彼らは怒りますので、相談はお早めに(でも最終的には助けてくれますが)。

泣く子も黙る会計管理室

(どんな支出も会計を通して支出される)
 契約の説明の時にもお話ししましたが、公金は必ず会計審査室を通じて支出されます。つまり、どんなに素晴らしい事業だろうが何だろうが、会計担当が首を縦に振らない限り、お金は支払われません。彼らの言うことは絶対です。

(些細なミスも絶対に見逃さない)
 会計担当は些細なミスも見逃さず、何か要件が不足していたら、即座に所管課に連絡が回ってきます。私は電話のスクリーンに、会計審査担当の内線番号●●●が表示されるたびにドキッとしていました。ちなみに些細なミスは、メモ用紙に間違い個所を記載して送り返すだけですが、金額間違い、支出科目間違いなど重要な案件のミスがあると、上司まで押印を求める緑色の「確認票」が送られるため、担当者は大変恥ずかしい思いをします。但し、これは公金を適切扱いミスに厳しく対処するありがたいご指摘と思い、粛々と対応していました。私は何度か緑紙をもらっていたため、きっとブラックリストに載っていたでしょうね。

(恐怖の会計強化月間と対策)
 私が勤務していた●区では10月が会計強化月間に位置付けられていました。この月に会計事務のミスをすると、課単位でミスの数をカウントし10を超えると全庁に公表されるという、所属長からするとこれ以上ない屈辱を受けることなります。
 ちなみに人事課時代、ミスを回付するため、課の全ての支出起案を元会計審査室担当にチェックをもらってから回す手法をとり、おかげで会計ミス「0」を3年連続で記録しました(そこまでやるか‥)

相談に乗れば助けてくれる

 契約・会計担当ともに、本当に細かいところまでこだわり、ミスに厳しくあまり関わりたくない部署と思われがちですが、実際には皆さん大変心優しく、私は何度も救われてきました
 特に観光課時代、観光情報センター立ち上げ業務を担当したときは、設計業者、建築業者、運営業者、ホームページ制作業者、備品の購入と鬼のような契約・支出があり、中にはイレギュラーな案件で、どんな契約・支出方法があるのか難しいものがありました。
 激務と複雑さで、私はほぼ潰れかけていましたが、当時の係長がプロジェクトチームを作り、契約と会計担当係長が加わってくれました。
 チームで情報を共有し、様々な助言をいただいて、何とか設立できたのは、契約・会計の協力なしにはできなかったと思います。

 契約と支出事務は、事業系の部署にいない限り、意外と関わることは少なく、入庁5年くらい経過してから初めてやってみるということもあり、最初は苦労するかもしれません。やってみると、区職員に問われる、ミスをしない、分かりやすい文章作成、段取りを踏んで書類をそろえるといった基本的なスキルが身につきますので、会計・契約さんの力を借りながら、経験を積んでください。

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