(23)区職員の専門性が下がっている!

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 私の古巣である●●区役所の令和3年度予算は約3000億円です。自治体の収入(自治体用語で「歳入」)は税金や地方債の発行などイメージがつきますが、支出はどうでしょうか。税金をどのように・いくらくらい使うのを考えて、実際に事業を行うのは誰か。そしてそれを承認するのは誰なのでしょうか。今回は、そのあたりにフォーカスしてみようと思います。

自治体の予算編成・承認と事業執行の仕組み

 私たちの貴重な税金は、企業にお勤めの場合、源泉徴収という形で強制的に徴収されてしまいます。それが社会の発展に使われていれば、心も晴れるのですが。。。さて、突然ですがここで質問です。

 Q1:「税金をどのように・いくら使うのか」について、自治体でその積算をするのは誰?

 Q2:その積算された予算を承認するのは誰?

 Q3:税金を使って実際に事業を執行するのは誰?

  答えは、Q1「首長」、Q2「議会」、Q3「首長」です。首長とはもちろん区長のことです。

 区長一人で予算を編成し事業を執行することは当然できないので、区長は必要に応じて組織をつくり、事業を執行させることができます。これが各部局であり、区職員ですね。つまり、区職員は区長の意向を達成するために、その手足として機能する役割を持つと言ってよいと思います。

 議会と首長の関係性については、教科書通りに言うと「両輪の関係」。つまり、日頃から区民の声を聴き地元に精通している区議員が、行政側とコミュニケーションをとりながら住民の声を事業に反映させるという美談。まあ、そんなことはほとんどなく、地元に恩を売るための、「これをやれ」という押しつけが強いのが現状ですね。たまにまともなことを言ってくれる議員もいますが‥

用途が厳格に定められている区の予算

 先程お金の話が出たので少し補足すると、区の予算は、各部局で予算資料を作成し、区の財政当局・区長からお墨付きをもらい、議会から承認(議決)をえて、ようやく各所属に配当されることになります。

 この予算ですが、用途は厳格に定められています。まあ、この事業が必要だからお金が欲しい(予算をつけてほしい)とお願いをして、いざ予算がついたら、別のことをやりますでは、「これまでの議論は何だったの!?」になってしまいますからね。

 但し、いざ年度が明けてみると、当初の想定が崩れたり、区長や議員の鶴の一声で、予算に組まれていあに事業を急遽実施する必要に迫られることもあります。

 こんな時には、配当された予算を当初想定していたものとは別の事業を行う「事業の目的外使用」や、他の部局からお金を引っ張ってくる予算の「流用」という手段があります。ここでは詳細はは省きますが、配当された予算と言えでも、各部局で自由に使えるものではなく、むしろ用途は相当限定されていると覚えておいてください。

職員の専門性が下がっている

 最後に首長に代わって事業を執行する区職員についてお話しします。公務員(区職員)は貴重な税金を使う以上、その分野におけるプロフェッショナルであることが求められます。しかし、実際のところはどうでしょうか。

 近年、区の仕事は外部委託や補助金事業をはじめ、職員自ら手を下さずアウトソースしていく傾向にあります。外部の視点、事業の効率化という面からみるとよいのかもしれませんが、肝心の区職員が事業を回すことばかりに専念し、知識・経験が職員や組織にも蓄積されていないように感じます。例えば、区の情報処理端末に関しては、情報システム課よりも、ベンダーさんのほうが詳しく、区職員が業者さんから教えを請うということも多いのではないでしょうか。

 私が観光課在籍時に、一番驚いたのが、当時の課長の言葉で「これからは私たち職員は直接事業を行いません。区民の活動を支援することに専念してください」と言われたことです。地元のことは地元がやると聞くと響はいいですが、これでは単なる丸投げ・税金のバラマキです。そして何よりも地元の言うことがいつも正しいとは限りません。

 きちんと自分たちで見て・聞いて・考えて・周囲を説得したうえで予算をつけ、念入りに執行するべきですが、現状どこまでできているでしょうか。

 今回は税金を投じて事業を執行する立場としての区職員についてお話ししました。区職員は異動が多く、その都度専門的な知識を身につけなければならないため、大変な立場である子とは承知していますが、その部門の専門家として知識・経験を積み、前年踏襲ではない、自分からの事業を提案し、執行できる職員に是非なってくださいね。

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