(22)使ったものは仕方ない!自治体の決算作業

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 今回は自治体の決算についてお話しします。1円たりとも数値ミスは許されませんが、前号で述べた予算編成作業と比較すると、決算事務は淡々と進みます。そこで作業のスケジュールや事務作業、そして決算資料の作成に長年関わってきた私が疑問に思ってきたことをお伝えしようと思います。

決算資料の作成スケジュール

 まずは決算資料のスケジュールについて簡単ではありますが、表にまとめました。

 見てのとおり、6月頃から集計作業が始まり、10月の議会における決算特別委員会での議決までが一覧の流れとなります。決算特別委員会では課長級が登壇するため、委員会直前は議員からの質問対応で、課長級はピリピリし、係長以下は課長の答弁原稿補助のため、補足資料の準備に追われます。

集計作業は淡々と‥

 担当部署でやることは、支出した金額を費目(委託費・消耗品費など)ごとに集計し、費目ごとに紐づけられている事業の実績や効果を簡潔に説明します。

 この時、予算の執行率が悪いと、別途説明資料の作成が必要となるため、各係の会計担当は年度末が近くなると予算の消化に躍起となります。それでも執行率が一定値を満たさず、説明書類を書くときは、周囲を納得させる理由が必要となるため、一文字一文字を絞り出すように文章を作成しました。中間管理職として大切な仕事なのでしょうが、私はこの言い訳の言葉を何時間もかけて絞り出すことが本当に苦痛で、これが公務員を退職した理由の一つでもありました。

 決算事務担当者の作業もシンプルで、各事業担当者に実績数値をシートに記入させ、システムで一括出力した金額を同じく各担当者に誤りが確認し、それを様式にまとめていく作業です。決算を担当することで、事業の全体像が見えるので、私が係長のとき、若手職員や異動2年目職員に担当させていました。私は係長として決算事務に携わりましたが、何度も何度も会計担当から確認依頼があり、「これ何回目の確認だよ」と飽き飽きしていた記憶があります。

 なお決算資料は、議会承認後、ホームページにも公表されるため、絶対に誤りが許されません。間違えが発覚すると課長の顔が青ざめます。

チェック機能を果たしていない議会

 民間企業だと、年度当初の目標未達の場合、株主をはじめ利害関係者から相当の圧力がかかると思いますが、自治体の場合はどうでしょうか。事業の費用対効果について、決算特別委員会でシビアに追及されているとは見えませんでした。

 そもそもの各事業の目標設定について、売上・利益といった逃れようのない数値目標があるとよいのですが、自治体の目標設定は非常に曖昧です。目標を定量化できず、定性的にも何を求めているのかが不明確であるため、追及する側もいまいち論点が見えていない部分があると思います。

 その結果、最も角が立ちにくい来場者数、アンケート満足率など、その場では納得できても、それが課題解決と連動しているのか不明な指数がよく見られます。仮に議会で追及されても「〇〇について検討してまいります(=何もやりません)」と回答するだけです。

 こんなふざけた回答をしたら、民間企業だと株主の離反や、経営陣の刷新要求にもつながりかねないこともあると思いますが、自治体は確実に税金が入ってきますからね。数字に対する「必死さ」の面で、根本的な違いがあるように感じます。

 今回は決算についてお話ししました。何らかの課題があって、それを解決するために予算をつけ、それをどのようなプロセスをたどり、どんな成果をもたらしたのかが線につながっていないことが、決算に限らず、自治体の問題点と感じています。

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