(21)夏から始まる自治体の予算作成作業

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 今回は自治体の予算編成についてお話しします。概ねどこの自治体も同じだと思いますが、最大の特徴は、7月くらいから作業をはじめ、各種ステップを踏んで2月の議会承認を得る、この長い長いスケジュールでしょうか。私はキャリアの8割以上が事業系でしたので、毎年のように予算編成に関わっていました。その経験も踏まえながら、話を進めていきたいと思います。

予算の編成スケジュール

 まずは自治体の予算作成スケジュールを図にまとめましたので、ご覧ください。

 長いスケジュールですよね。上記の中で、特に忙しくなるのが、9月末に財政当局へ提出するまでの資料作成でしょうか。何回も何回も打ち合わせ・修正を行い予算資料を完成させていきます。次に予算資料作成のポイントを述べます。

予算作成で求められるスキルとは?

 予算編成については、以下のスキルが求められると思います。

〇スケジュール管理能力(編成スケジュールがきっちり組まれるので、提出が遅れると組織に迷惑をかける)。

〇なぜこの事業が必要なのかを明確に説明できる論理的な説明能力。

〇分かりやすく・簡潔に説明できる文章作成能力。

〇予算説明を補足する見やすい(パワポ等の)資料作成能力。

〇係内で議論し、解決を見出していく対話能力。

 上記は予算だけでなく、文書事務を中心とする公務員にとっては必須のスキルと言えるかもしれませんね。日頃から鍛えておきたいものです。なお、予算の編成でもう一つ大事になるのが、前回のブログでお話しした計画との整合です。特に継続事業の場合は、当初企画した時と現状の分析がなされているか、その上で今回の予算要求で何らかの対策が示されているかが問われます。

 私は観光振興部に所属していた時に、大規模な新規事業の予算編成を担当したことがあります。当然、予算規模が大きく新規事業となると、予算当局の目は一層厳しくなります。見積根拠、事業効果、事業者の選定、事業の終期、見直しのタイミングなど、財政当局とは何度もやり取りを行いました。その結果、財政とのやり取りは、第17次質問票・回答票のやり取りまで続きました。根気・忍耐が求められてましたが、予算をつけてもらうためには、「うっさい、ぼけ!」と言うわけにはいきません。丁寧な回答を続け、最終的には満額の予算をとることができました。役所で思い出に残る仕事の一つです。

夏の段階で来年のことを感がるのは難しい‥

 最後に予算編成作業について、私が感じた困難だったポイントをお話しします。

〇夏の時点では未実施の事業も多く、その中で次年度の事業を考える難しさ。

〇ノウハウの蓄積に乏しく前年踏襲になりがち。

〇縦割りの弊害。部署間で類似の事業があったり、まとめてやれば効率的なことがたくさんある(日頃からコミュニケーション取れていない)。

〇各事業の相乗効果が薄い。俯瞰してみる役割の課長・部長級の問題だと思うが‥

〇一度始めた事業のスクラップが難しい(スケールダウンと見せない代替策を考えるのが腕の見せ所)

〇何らかの形でその予算の「斬新さ」を見せることが求められる。この時に見新しさだけでなく、解決すべき課題とその対処方法を課内で事前に議論できていると強い。

 予算編成作業は自分を鍛える機会になります。予算のためだけではありませんが、文章作成能力や論理的思考を身に着けるために、外部の研修を受けることをお勧めします。大変な作業ではありますが、予算の経験(特に取りまとめをした経験)があると、異動先で重宝されますよ。もしやる機会があったら是非チャレンジしてください。

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