(20)自治体の事業計画

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 今回は自治体の計画体系についてお話しします。皆さん、居住する自治体の基本計画などを見たことあるでしょうか?絶対ないですよね。実は職員も一部を除いて、ほとんど自分たちの関わる計画を知りません。とは言え公務員を目指す以上、必ず事業計画に関わる機会はあると思いますので、ざっくり基本的な仕組みについて理解できることを目的に説明します。

自治体の計画はどんな構造になってるの?

(計画の基本的な構造)
 まずは、自治体の計画の基本構造について見ていきましょう。下図のとおり、基本構想をピラミッドの頂点として、一番下に単年度の事業計画がきます。


①基本構想
 自治体の基本理念、進むべき方向性など、10年以上の時間軸で超長期的な道筋を示すもの。
②基本計画
 基本構想を実現するために、5~10年単位で施策の方向性と成果指標を示すもの。
③事業計画
 基本計画を推進するために、「産業推進計画」・「まちづくり計画」・「人材育成計画」など、各事業ごとに「何を・いつ・どのくらい」やるのか定めるもの。
④単年度重点計画
 基本計画・事業計画の進行状況を把握するため、事業計画の中から重点事業をピックアップし、その達成状況を把握する。

(計画策定には膨大な手間をかけている)
 計画の作成には膨大な手間をかけています。単年度レベルの重点事業計画は各課で選定し、経営計画担当セクションと擦り合わせをする程度ですが、事業計画や基本計画の策定となると、気の遠くなるようなプロセスを踏まえ作成されます。詳細は省きますが、区民から意見を募集するパブリックコメント、外部識者を交えた検討会議の開催、そして議員や副区長・区長の意向を踏まえて、血と汗と涙の計画がようやく完成します。

(全ての事業は計画に紐づいている)
 区長や議員から鶴の一声で実施される「気まぐれ事業(仮称)」を除いて、全ての事業は計画に戻づいて実行されます。当然のことながら、予算の査定においても、計画に基づかない事業は、よほどのことがない限り、お金がつくことはありません。また、ある事業がどんなに成功しても。計画に基づいていなければ評価されません。

計画を作るとこまでは良いのだが‥

 このように担当者が泣きながら完成させる計画ですが、やはり問題点は色々とあります。私は長年事業担当部署におり、計画に関わることが多かったのですが、私の感じていた問題点をあげてみます。

〇体系的に事業計画作成の知識を身に着けた専門性の高い職員が少ない。

〇作成にあたっての共通の指針がない(行動規範の「クレド」がない)。どこか寄せ集め感がある。。

〇目標数値が課題解決とリンクしていないことがある(何のためにやるのか分からなくなる)。

〇数値を作ること・見せることに奔走される。

〇「新○○計画」・「事業改革○○計画」などで区中枢の意向で計画が乱発することがある。

〇部下は計画をほとんど意識・理解していない。係長から実績報告の時に聞かされる程度。

 担当事業課や計画を取りまとめる部署は当然魂を込めて計画を作るのですが、残念ながら計画を理解・意識している職員が少ない。また、頻繁な異動に伴い、計画を作った当初の経緯やこもられた思いが希薄化し数値のみ追い求める、こんな欠点を感じました。

計画とどのように向き合えばよいのか

 とは言え、計画をがっちりと覚え、常に自分の事業と計画との連動を意識せよというのは、少し酷なことだと思います。そこで私の考える計画とのかかわり方について、以下の通り考えを述べます。

〇計画を常に意識する必要はないが、担当する事業の計画上の位置づけを年度当初に知っておく。
→分からなかったらベテラン職員に聞いてみる。

〇課内OJTの一環として、年度当初に担当部署の事業計画について勉強会を開催する。
→職員のベクトルを一致させると組織力は一気にアップします。

〇数値は必ずついて回るものと割り切る(「数字は淡々と、中身はしっかり」が腕の見せ所)。

〇事業のこれまでの経緯と、終局図を描いておくこと。(やりっぱなしの防止)

〇長期計画の内容は修正が困難だが、短期計画は見直しの機会がある。その時に、自分たち(課)が本当にやりたいことを反映できるよう、日頃から議論する(議論できる環境づくりも大切)。

 今回は自治体の計画について書いてみました。今回言いたかったことは、「計画とうまく付き合いながら仕事に取り組む」ことです。これを機に計画を少し読んでみましょう。新たな発見があるかも。

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