(16)突っ込みどころ満載!区役所の人事評価

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 区役所で人事評価と給与や処遇への連動が注目され始めたのは、ここ15年くらいで歴史はまだ浅いと言えます。そのため制度上の不備が多く、評価する側・される側もよく分かっていない人事評価について今回はお話しします。

■人事評価の基本的な仕組み

 まずは、人事評価のスケジュールから見ていきましょう。

 自治体によって異なるかもしれませんが、業務年度は4/1開始にもかかわらず、人事評価のスケジュールは1/1~12/31です。業務年度と異なるのは、給与等を新年度の処遇に反映させるためには、12月で締め切る必要があるからかもしれません。
 

 評価者は所属長(課長)です。被評価者の評点が同じ場合は、部長が順位付けの調整を行います。評価上位者の給与を上げるにも人数が限られているため、例えば同じオール4でも、順位付けを行う必要があるということですね。

 評価項目は自治体によって異なります。1から5、SからDなど概ね5段階評価で、「仕事の成果」・「チームワーク」・「チャレンジ」・「部下の指導・支援」など、複数の評価項目があります。

 
 実際の評価方法ですが、一つのプロジェクト・出来事のみで判断せず、年間を通して、仕事の意欲や正確性などを総合的に見て、各項目の評点を付けていくやり方が取られています。人事評価結果は、12月に所属長から受けとります。各評価項目ごとに「3」・「4」評点が記されています(学校の通知表のようなイメージですね)。

■人事評価の給与への影響

 高評価者は給与や賞与など処遇に反映されます。また、通常昇給は4号昇給となりますが、Aランクは6号、Sランクは8号など昇給へも同じように影響があります(これはでかいです)。

 なお、下位の評価者は賞与が減額となり、上位評価者の原資となります。主任試験等の昇任試験の勤務評定ポイントにも大きく影響するため、人事評価の結果は大切と言えます。

■区役所の人事評価の問題点

 給与、処遇、昇任等職員への影響が大きいことは先に述べた通りですが、この人事評価制度は、まだ歴史が浅いため、制度上の不備があると言わざるを得ません。私が思い浮かぶ問題点を以下の通りお伝えします。

〇所属長の人事評価のスキル不足。


〇そもそも上司が部下の日常など見切れていない。適当な評価になりがち。

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<人事評価期限を前にしたある課長の行動>

課長:「ねえ。係長。○○君の仕事ぶりどう?」

係長:「まあ、真面目ですよ」

課長:「どんな事業を担当してたっけ?」

係長:「○○イベントですかね。新たな要素を取り入れて、区民の評判も上々でしたよ」

課長:「(心の中で)あのイベント行ってないんだよな。とりあえず「4」にしとこ」

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〇所属長の性格によって、評価の甘辛がはっきりでる。同じようの実績でも、所属長(の考え方)によって「3」もあれば「4」もある。


〇職員が何をもって評価されるかを知らされていない。おそらく人事評価の項目を知っているのは、人事経験者などごく一握り。

〇個々の目標と人事評価が全く連動していない。例えば、建築部署なので「2級建築士を取得する」と個人の目標を立て、実際に取得できても、人事評価に反映されるとは限らない。

 とまあ、問題だらけの人事評価制度です。では被評価者はどうすれば良いのか。答えは、「人事評価など気にしない。天はきちんと見てくれている」の気持ちで、日々地道な努力を重ねるということですね。最後の最後でいい加減なアドバイスかもしれませんが、これが私の結論です。

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