(15)外部機関への派遣②

その他

 前号では派遣されるまでのプロセスについて書きましたが、今回は実際に派遣先でそんな仕事をするのか、派遣が終わった後はどうなるのかについてお話ししたいと思います。

■派遣先では何をやるの

〇行ってみないと分からない
 東京都や特別区人事厚生組合など、区から毎年のように派遣している組織なら仕事内容が分かりますが、初の派遣となると、何をやるのか実際に行っみいないと分からないことが多く、開拓者としての役割が求められます。
 私は2回の派遣を経験し、両方とも区からその組織へは初めての派遣でした。1度目は国際的な事業を展開する総務省の外郭団体に派遣されました。

 位置づけは派遣研修で、3年間の派遣期間のうち、1年間は東京本部で、2年間は海外事務所で現地の仕事をします。

 東京本部では、補助金事務、職員名簿の作成、採用パンフレットの作成など全然国際的な仕事ではありませんでした。

 そして2年目海外事務所に派遣されると、毎日が刺激的でした。私はインドとベトナム・カンボジアでの研修プログラムなどを担当したため、何度も現地に出張して、大使館など現地機関とやり取りをするなど、自治体にいては考えられないような経験を積むことができました。まさか区役所に勤務して気温50度超える、のら牛が街中を歩き回るインドに自分がいるとは思わないですよね

〇給料と処遇
 派遣研修の場合、給料は派遣元(区)から支給されます。毎月勤務日数や超過勤務時間を区に報告します。それを庶務担当がシステム入力して、給与が計算されます。もちろん残業代もきちんと支給されます。中小企業庁に派遣された知り合いは、大変激務で残業時間が毎月100時間を超えるため、「毎月がボーナスだ」と言っていました。働き方改革の影響で、今は残業時間(特に45時間/月)に厳しくなってきましたが、派遣中に限っては「ガンガン働いてこい」の空気は残っていると思います。

〇区の顔として仕事をする
 外部への派遣は区の顔として派遣されるため、ちょっとしたプレッシャーはあります。
私の2回目の派遣は、仕事で付き合いのある一般社団法人への派遣でした。区とその法人は、協力関係にありながら、険悪な環境(区と外郭団体にはよくあることですが)にありました。一方、私は一緒にプロジェクトを担当したこともあり、その団体職員とも大変仲が良かったため、いざ一緒に働いて「あれ、こいつ使えないな。区役所の職員なんてこんなもんだよね」と思われないように一生懸命働きました

■派遣終了後の処遇

 派遣期間を満了すると、外部で身に着けた専門スキルをフルに発揮してもらうことになり、関連の深い部署に配属されます。
 つまり派遣元(区)へしっかりと学んだスキルを還元しなさいよということです。まあ、期待されるのは当然のことですが、そんなプレッシャーかけれても困りますよね。もちろん仕事には全力を尽くしますが、「派遣に行ったからなにか特別なことをしなければ」といったことは、あまり考えなくてもよいと思います。
 私は派遣元に戻り、1年目は業務分担で割り当てられた事業をこなし、課の仕事に慣れた2年目からは国際交流関係や、インバウンド事業で新規事業を立ち上げるなど、それなりに還元できたと思います。
 最後に心構えとして、区としてはお金を出して外部に貴重な職員を出すわけで、「あなたを派遣したメリットは?」という文言を心のどこかに持っておくとよいですね。

■派遣は経験を積める

 最後にまた私のお話になりますが、派遣は楽しかったです。自身の16年の公務員キャリアを振り返ってみても、思い出に残っているのは派遣の4年間です。外部の仕事の進め方を知り、役所では出会うことのない人々から刺激を受けなければ、そもそも転職なんて決意しなかったと思います。
 慣れ親しんだ区役所を一旦離れ、ある程度の激務は覚悟しなければいけないと思うと、自己申告書の異動希望欄に外部機関の派遣先を書くのは勇気がいるかもしれません。しかし、あなたの区役所キャリアにおいて必ずプラスになる良い経験を積み、良い仲間に巡り合えると思います。異動の時期に、外部機関の派遣も視野に入れながら自身のキャリアを考えてみてください。

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