(11)区役所の各役職と役割(係長)

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 今回はある意味区役所で一番毛嫌いされる「係長」の仕事についてお話ししたいと思います。一昔前の係長は、何か緊急事態が発生した時には駆け付けるが、平時はどんと構えて特に何もしないような古き良き時代もありまりました。でも、今は違います。現在の係長に求められる仕事とはどんなものでしょうか。

■係長とその役割

 今の係長の役割について、一言で述べると「プレイングマネージャー」としての資質がを求められると言えます。管理部門の庶務係長など一部を除いて、どの係長も何らかの事業(しかも重要なもの)を持たされます。係長は自分の仕事を持ちつつ、以下の仕事をこなしていきます。
〇部下の勤怠管理
 部下の出退勤管理、休暇申請、出張旅費申請などの確認を行います。全てシステムで事務が処理され、部下から上がってくる休暇や出張申請の内容を確認し、最終決裁者の課長へ回送します。部下の申請には誤字脱字などのミスがつきもので、係長決裁の段階でミスを見つけられないと、課長からお叱りを受けます。

〇係の業務進捗管理
 係りの仕事を滞ることなく円滑に回す。係長に求められる最も大切な仕事の一つですね。事業の開始や、物品の購入、通知文の送付等、仕事に関わることは基本的に全て文書で決裁されます。そのため、部下からの文書決裁や、日頃から部下に声掛けをすることで、係の業務進捗状況を把握します。よく課長から「係長、○○事業の進捗どう?」と聞かれ、即座に答えられないと、課長の顔色が曇ります。


〇係間調整
 係内だけで業務が完結することは少なく、多くの場合、他部局の協力を仰ぎながら仕事を進めていきます。そして、他部局に協力をお願いする場合、第一報を入れるのは大抵の場合係長です。このとき、スケジュールがタイトだったりすると相手先から嫌な顔をされるため、余裕をもったスケジュールを組むなど、相手に気持ちよく仕事をしてもらうための調整力は係長の腕の見せ所ですね。


〇部下の育成
 係長に求められる大切な役割の一つです。部下にちょっとだけハードルの高い仕事を与えて、サポートしながら仕事を通じて能力を向上させる。組織の発展を考えると、ある意味職員の育成は一番大切と言っても過言ではないのですが、先に述べた通りプレイングマネージャーとしての係長は多忙で、かつ支援も乏しい状況なので、人材育成まで手が回らないのが現状です。主任と課長からの支援が欲しいですね。

〇課長の補佐
 現場レベルでバリバリ仕事をやりたいタイプなど人にもよりますが、課長は議会や幹部クラスの調整のほか、とにかく「意思決定」が求められます。係長は課長を補佐するために、議会答弁原稿の資料準備・下書きの作成、課長の意思決定に必要な情報提供などが求められます。

■係長の昇任要件

 係長は主任に合格した時点で、最速で主任を5年経過した翌年度に係長になれます。つまり主任試験を受験すること=将来の係長になる意思があると考えて差し支えないです。 
 係長選考には試験がなく、人事課で能力評定を行い、11月頃に次年度の係長級昇任予定者が公表されます。多くの人が主任5年経過した翌年に係長になりますが、定員等の関係で係長にストレートでならないケースもあります。
 ちなみに、同じ係長級でも、昇任初年度は、給料は係長と同じながら決裁権限をもたない「主査」と言うポジションにつくことが多いです。係長準備期間のような位置づけですかね?係長昇任に前には、様々な研修を受けますが、心構え等のマインド中心で正直役に立ちません。実践あるのみです。

■係長のスケジュール

 参考までに、ある1日の係長の業務をお示しします。

■係長時代の思い出

〇楽しかった思い出
 区民向けの大規模なイベントで、実施規模を大幅に縮小するため予算が1/3に減額されたにもかかわらず、区長の鶴の一声で「やっぱり同じ規模でやりたいな」と新年度になってから、お金のないのに理不尽な要求がありました。さらにひどいことに、課長からは「幹部会議で他部署の協力も取り付けたから後はよろしくね!係長♪」とのこと。
 当然上層部で話をして協力依頼しても、現場レベルでは非難の嵐でしたが、何とか調整(頭を下げ)しながら多くの職員の協力をいただき、予算1/3で前年と同規模のイベントを開催できました。


〇辛かった思い出
 少人数の課で係長を務めたとき、少人数であるがゆえ私の全行動が課長の目の前で行われ、(細かいことまでケアしてくれる課長であったため)細かいことまで課長からイチイチ突っ込まれたのが辛かったですね。時にはイレギュラーなやり方などを駆使しながら何とか仕事を進めていくこともあるのですが、その都度、「今のはどういう意図なの?」と、根拠を問われました(正しいことなのですが)。この3年間は課長説明の時間ばかり取られ、ストレスがたまりました。でも、区役所を辞めて思うのは、この厳しい課長に言っていただいたことは、本当にありがたいことで、今の仕事に大いに役に立っています。

 優しくも時には厳しく指導する。そんな係長に私はなれませんでした。

 私の最終キャリアが係長であったため、今回は長々と書きました。主任・係長昇任にあたり、何か参考となれば幸いです。

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