観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するの?~

その15「運営方法を詰めていく」

 9月になり駅ビルがグランドオープンする12月まで残り3か月となった。8月の業者プロポーザルを得て、運営事業者との契約も無事に締結できた。ここから業者を交えて、オープンに向けた具体的な運営方法を詰めていく段階である。

 最初の打ち合わせで驚いのが、これから2か月かけて運営スタッフを募集するとのことであった。つまり、オープン1か月を切った段階で実務に携わる人が揃うことになる。人材派遣会社なので、スタッフの候補は既にストックされているものかと勝手に思っていたが、いきなり想定外だった。多言語対応可能で、接客に長けた人が集まるのか不安だったが、ここは任せるしかない

 最大の焦点になったのが、物販と売上の取り扱いだ。何を売るのか、誰が・どうやって商品を調達するのか、売上/費用/利益はどのように管理するのか。物販に関して業者とルールを決めには膨大な時間を要した。区としては営利事業を行うわけにはいかない。また、赤字になった場合の補填を税金からできるわけがない。一方、運営業者側からすると、物販のノウハウや地場の事業者とのネットワークもないうえ、何より廃棄リスクを負ううえ、商品管理の労力も半端ではない。

 議論を重ねた結果、販売商品は区内の地場企業の物を取り扱うこととし、商店街等の調整は区側で行うことにした。お金に関しては、区は一切関与せず、仕入れコストは全て運営事業者の負担とした。利益が出ればインセンティブにもなるが、商売ごとなので利益を出すのは、相当難しいと運営業者は渋っていた。

 区側としては、リスクを負わず、案内所に物販の機能を有することができるので、交渉としては成功と言える。しかし、今思えば運営業者の弱い立場に付け込んでいたのかもしれない。私は担当者として必死だったが、業者にのみリスクを負わせることになってしまったことは、区・業者・社会(お客)「三方良し」とは言えないだろう。

 因みにこの物販は当初の予想と反して大成功した。区内にはこだわりの逸品を持った事業者が多く、口コミで区内のお土産が一か所に集まって、帰省時のお土産を買うのに便利ということが広まり、黒字化に成功したのである。

 案内所内の体験事業も物販と同じようなスキームで決まった。メニューは運営事業者が決め、その費用/収益に区は関与しないやり方にした。最後に案内所のホームページは英・中・韓の3か国語で運営し、運営業者が情報の更新を行うことで決まった。

 細かいことはまだまだあるが、人(業者)・場所(工事)・事業・広報が見えてきて、ようやくオープンに間に合いそうだとの実感が湧いてきた。今でいう過労死ラインの残業時間を毎月のように超えていたが、若さと多少なりともの責任感で何とか日々生き抜いていた。

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