観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するの?~

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その12「悔いの残る共益費交渉」

 4月の業者向け説明会の開催以来、電鉄の担当者とは月1回程度、定期的な打ち合わせを行っていた。案内所のレイアウトやサービス内容について進捗を伝え、懸案だった和文化体験スペースもきっちりと設けることで、この点についてはあまり議題に上ることはなくなっていた。

 次に焦点となったのが「共益費」だった。駅ビルの運営には、トイレの設置、清掃業者の手配、共用スペースの管理、広報物の刊行や各種プロモーションの実施など、テナント全体に関わる案件がある。その費用は「共益費」として、各テナントが按分して負担することになり、通常のケースでは各テナントが契約する面積に応じて共益費の金額が決まる。つまり所有面積が大きいほど共益費も増えるということだ。

 電鉄もこの一般的なルールに従い、当区にも他テナントと同じ割合で共益費の負担を設けてきた。この共益費が何と高いこと。10万・20万/月のレベルではなく、もっと全然高い。施設は本当に金食い虫である。しかし、、、である。我々は公的な案内所で、全く持って利益を求めていない。どちらかというと、外国人にも多言語で対応でき、電車の乗換案内や駅周辺の案内をするなど、電鉄が本来負担すべき労力を補っている場所である。

 それにも関わらず、同額の共益費負担を求めるのか。私はゼロ円とは言わないまでも、共益費を減額すべきと何度も何度も電鉄に交渉した。当然、他の駅ビルの共益費をリサーチし、同様の案件で自治体側の共益費負担がゼロ、又は減額されていることも合わせて伝えている。

 結果として、電鉄の要求を100%のむことになった。交渉力不足であった。ただの実務担当者である私が交渉の場に臨んでもパンチ不足は否めなかった。上司を交渉に巻き込めなかったこと、案内所の公益性・電鉄側のメリットを前面に押し出し、電鉄側から譲歩を引き出す私のスキル不足を悔いた

 今から振り返ると、実務で手一杯だった私にあれ以上の時間を割くことはできなかっただろう。ましてやお金の交渉だから、これは役職者の出番に違いないだろう。なぜ共益費交渉で上司が出てこなかったのは、今でも分からない。というよりあまり覚えていない。共益費の案件は本当に無年で、この気持ちをしばらく引きずりながら、案内所開設の業務を続けていくことになった

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