観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するのか?~

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その1「観光課長の不穏な動き」

201●年の2月。最近やたらと観光課長(以下:課長)が席を外している。議会の繁忙期でもなく、特に緊急を要する案件もないはずなのに何だか様子がおかしい。部下には外出理由を話さず、課長席に戻ってきた時も何だか難しそうな顔色でさえない様子である。

 そして、ここ最近課長宛てにかかってくる電話相手も変である。観光課とはほとんど仕事上の接点がない土木やまちづくりの部署からの問い合わせがやたらと多い。そして、課長はネットで情報を探しながら、何かを手書きでデザインしている

 部下としては、気分の良いものではない。それは課長の個性と仕事の進め方に関係がある。課長は、非常に感性が鋭く発想もユニークなため、人を楽しませるという意味で観光課の仕事はうってつけである。その一方で、他部署からの依頼を断ることが苦手で、「予算はないけど、●●課と連携してイベントやることになったよ」とか、「●●会社のご厚意で、観光展示をやれる場所があると言われたから、OKしてきたよ」といった過去が何回もあった。

 タダほど怖いものはない。余りに人がいいので、その業務量を現場レベルに落とすとどれだけ悲劇を招くのかを追及する前に、GOサインを出してしまうのである。会議で誰も話さず無駄に時間が流れるのが嫌いで、「じゃあ僕がやるよ」と手をあげてしまうタイプなのである。周りのメンバーはしめたもので、ダチョウ倶楽部の「どうぞどうぞ」とさぞかし似た感覚だろう。

 このような背景があるに加え、ただでさえ観光課は区長の思い付きで「こんな企画をやってほしい」といった突発案件の多い部署である。しかも今回は大規模のプロジェクトに見える。部下が警戒感を持つのはある意味当然だ。

 この時、私は観光課3年目。一通り課内の事業を経験し、次の4月で異動しても不思議のない時期である。「もうイベントも飽きたし、違うことをやりたいな」くらいに思っていた私が、まさかこれから約2年に渡り、観光案内所の事業を担当することになるとは夢にも思っていなかった

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