観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するの?~

その他

その9「運営形態を決める」

 案内所の運営方式は大まかに3パターンある。

 ①区職員を使って直接運営する

 ②業務仕様に基づき委託する

 ③指定管理制度を使って自由に運営させる。

 ③の指定管理制度は、発注者(区)がざっくりとコンセプトと最低限のルールを定めて、後は業者の提案した方法に任せるものである。最近ではスポーツ施設でこの方式を採用する自治体が多いのではないだろうか。貸館業務に加えて、ヨガ教室や子供向けのスポーツイベントをやって、独自に集客及び収入を稼ぐことも可能で、業者のインセンティブにもつながりやすくなる

 電鉄が望んでいる和体験をベースにした集客にフォーカスするのであれば、業者の自由度が高い指定管理者制度が適切だろう。発注側としても、業者への費用を削減できるうえ、行政では思いつきもしない取り組みを期待できるメリットがある。欠点としては、運営を任せている以上、あまり行政から口出しをすることはできず、こちらが意図しないトラブルが生じる可能性があることである。

 業務委託は、行政サイドで仕様書を作成し「1.○○を△△を使って実施すること。2.年〇回、区民向けの△△を実施すること」といったように、かちっと業務内容を固めることで、行政が望む事業を忠実に反映することができる

 デメリットはとにかく費用がかかることだろう。本来は行政がやることをお願いしているわけで、何をするにしても費用が発生する。また仕様をかっちり固めることで、民間の発想が生かせなくなる恐れもある。

 私としては指定管理者制度が適当と考えていた。案内所は企画展やちょっとしたイベントもできるスペースがあり、物販もできるレイアウトとなっている。また、超一流のT社の設計したもので、見栄えも悪くない。民間の柔軟な発想を生かして施設をうまく活用してもらいたいと思っていた。

 しかし、結論としては業務委託となった。区職員を派遣する直営方式は、人的負担が大きく早々に却下された。指定管理者制度は区の規則で導入不可能であることが分かった。同制度は、そもそも区施設でないと導入することができない。そして、この区施設の定義は、区の土地にある施設であることが大前提である。この案内所は電鉄の土地なので、区施設ではないとことである。

 業者選定については、行政で条件を出し、条件に基づく業者から提出された企画書を審査する書面審査・プレゼン審査によるプロポーザル契約を行うこととなった。このプロポーザル方式は恐ろしい業務量であったが、これについては後述する。

 それにしても、この運営方式を決定するのも大変な作業であった。ゼロから調べ上げ、資料を作成し、何度も課内で何度も検討を重ね、ようやく決定した。全てが前例のない仕事で本当に辛い。企画できるという花形の空気感はみじんも感じなかった。とにかく期日までに完成させないといけない、それまでにクリアしなければならない課題、見えてない課題が続々と出てくることに焦り、ストレスを感じる日々であった。

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