観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するの?~

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その7「デザイン担当とのやり取り」

 基本設計を担当するT社は世界的に著名な美術館・博物館の設計を手掛けており、この分野では超一流企業である。正直このレベルの企業に行政施設の設計を依頼するのは、かなりオーバースペックな印象ではあった。

 打ち合わせ当日、課長、営業担当、駅ビル設計担当、デザイナーの4人の男がやってきた。デザイナーはジーパン・パーカーを着て、個性的な黒縁眼鏡をかけていたので、とりわけ目立っていたのをよく覚えている。

 そのデザイナーは、打ち合わせに際して、ラフデザインを持ってきてくれた。ラフにもかかわらず、素人目に見てもクールなデザインであった。事前にこちら側の情報をデザイナーに伝えてはいたが、課長のお絵描きから一気に進展したようで、心が高揚した。さすがは超一流のプロの仕事である。

 面白かったのは、デザイナーが行政の施設と知りつつも、自身のこだわりを随所に組み入れてきたことである。シャンデリアのような派手な照明、重厚感のあるテーブル、スタイリッシュな椅子、凝りすぎた棚のデザイン等、デザインセンスのない私からすると、ただただ奇抜に映ったが、女性陣からは個性的で良いのではと好評であった。

 女性の声は正しいものである。結果的にど派手な照明を除いて、基本的にはデザイナー案を採用することとなった。デザインの9割はこの時点で完成しており、この後は細部や調度品の調整がメインとなった。

 課長は当初打ち合わせに同席していたが、ある程度デザインの方向性が見えてきた段階で、私に業者との調整を任せてくれ、報告のみ淡々と聞いていた。見識が深く、行政経験も長いので色々と言いたいことはあったと思うが、口出しせず仕事を任せてくれたので、担当者としては大変ありがたかった

 しかし、基本設計に目途が立ったのもつかの間、次は駅ビルオーナーである電鉄との認識の違いが明確となり、頭を悩めることになった

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