観光案内所設立プロジェクト~公務員なのにこんな仕事するの?~

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その5「観光案内所の視察」

 観光案内所の設立はこれまでに区としての実績がない。そのため参考となる情報は区外に求めなければならない。実際に目で見て、関係者から聞き取る情報は信用できるものである。そのため、5・6月は他自治体が設置・運営する観光案内所の視察を数多く行なった

 4月に観光課へ異動してきた課長は切れ者で細かい点までこだわるというのがもっぱらの噂だったが、仕事をどんどん任せてくれ、視察も自由に行かせてくれた。根拠や背景を追及する厳しさはあったが、最後は必ず責任を持つ頼もしい上司だった。部全体のとりまとめを担う庶務課長であったため、超多忙であったがきつい顔を全く見せず、24時間働けるようなスーパーウーマンだった。

 普段都心部で生活していて、観光案内所の存在を意識することはほとんどない。活用するとしたら、熱海駅前など観光地の案内所でパンフレットをもらう程度だ。事前リサーチの結果、視察先として、横浜駅構内、石神井駅(練馬区)構内、浅草(浅草寺前)、日本橋(コレド室町内)、日本政府観光局(有楽町駅徒歩5分)を選択した。

 各案内所では、土地柄のカラーを出したサービスを提供していた。横浜駅や石神井駅は地元の名産費等の販売、浅草は浮世絵等の展示や映像の配信、日本政府観光局はは外国人を対象に浴衣の体験などを実施していた。また、横浜は個人旅行客の手ぶら観光を推進するため、宅配業者と組んで旅行バッグの預かり・配送サービスを展開していた。

 言語は、最低限英語は対応可能で、これに韓国・中国語にも対応している案内所があった。視察を通じて、観光案内機能とそれ以外の要素を組み合わせていることがよく理解できた。集客するためには、待ちの姿勢ではなく、目玉となるコンテンツが必要ということである。但しそれは、ご当地ならではのストーリーが必要で、バックボーンのない思い付きの企画では厳しいことが想像できた。

 視察すればするほど迷ってくる。単なる案内所機能だけでは、観光地でもない我が区では閑古鳥になるのは明らかである。調べること、考えること、決めなければいけないことだらけである。対応言語一つとっても、多言語対応可能な人材確保やホームページの更新は莫大な費用がかかる。物販は廃棄のリスクがあり、何よりノウハウがない。

 運営形態もどうするか。区で仕様をかちっと固めて業務委託するのか、指定管理者制度を採用して民間事業者ならではの運営手法をとるのか。いずれにしても、これといった答えはない。自分たちで答えを出すしかない。「自分で考えて答えを出す」。当たり前のことだが、日頃から条例・規則に従い仕事をする我々には企画することは不得手な分野である。

 業務量は膨大だ。調査、会議資料の作成・まとめ、各検討事項の素案づくり、上役への報告等、全て一人である。かなり辛い仕事になってきた。他にも仕事はあり、イベント補助で土日出勤も多々ある。怒りのはけ口もなくストレスと残業時間がどんどんたまっていった。

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